過食症は行動依存なのか?

過食症と食依存

過食症は行動依存の一つ

異常なまでの「痩せたい」という気持ちから始まり、極端なダイエットをつづけた結果、身体が命の危機を感じて過食に転じるのが過食症の典型的なケース。しかし、アルコール依存症のようにストレス発散として過食が依存行動に発展することもあります。

過食症は依存症?!

過食症は、やせ願望や肥満恐怖により引き起こされるもの以外にも、依存症と同じモデルで発症するケースもあると考えられています。こういったケースは行動依存といい、摂食障害の基本的なケース(痩せたい願望から始まる)とは対処法が異なります。

過食症をアディクションとして捉える根拠は,過食症にアルコール・薬物乱用が多く合併し,また逆にアルコール・薬物依存症に過食症が多く合併するという事実による.過食症のアルコール乱用の合併についてMitchellらが過食症の20〜30%にアルコール乱用が合併すると報告しており,日本で永田らが7〜17%と報告している

出典:『アディクションモデルによる過食症の入院治療の試み』鈴木ら,心身医学,43(10),2003

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/43/10/43_KJ00002374899/_pdf/-char/ja

このように、過食症は依存症としての側面がある場合もあり、こうした場合は依存症に対する治療が必要です。アルコール依存や薬物依存の治療と過食症が合併しているケースでは、治療はとても難しく、入院治療が取られるケースも少なくありません。また、逆にアルコールや薬物依存症の治療で入院する際に、併せて過食症の治療も行われるケースもあるのです。

行動依存とは?

行動依存とは、ある決まった行為をやめられなくなって、日常生活に支障を生じている状態のこと。やめられない理由としては、その行為から刺激や安心感を得ているためです。

例えば、ギャンブル依存。お金を賭けるスリルが心地よくなり、正しい生活を送れない状態になるまで財産を費やしてしまうほど、ギャンブルという行為に依存してしまうなどがあります。

過食症もギャンブル依存と同じく「量を食べる」という行為に依存してしまい、食べて幸福感や満足感を得ることがやめられない状態です。依存症になると、「痩せたい」「お金が少ない」という気持ちや状況を頭では理解していても、行動を止めることができず、気付いた時には行為を繰り返してしまうことも。

しかし、食べる行為には満足しても太るのは女性は嫌なので、食べたことをなかったことにしようと過食嘔吐や下剤の乱用に走るという悪循環が生まれやすいです。それほど、依存症は恐ろしい病です。

人が「依存」する対象は様々ですが、代表的なものに、アルコール・薬物・ギャンブル等があります。このような特定の物質や行為・過程に対して、やめたくても、やめられないほどほどにできない状態をいわゆる依存症といいます。

参考:依存症についてもっと知りたい方へ |厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html

摂食障害の根本的な原因である、異常なまでの「痩せたい願望」がなくなったとしても、過食症を経験すると過食するという行為がすでに依存症となってやめられなくなっていることもあります。

摂食障害自体が治っても、次は依存症の治療が必要になることもあるので、依存症になる前に過食症の治療を本格的に始めるようにしましょう。

依存症の治療とは?

依存症には依存症の治療があります。患者の状態を各ステージに切り分けて、そのステージごとに合わせた対処を進めていく方式です。

各ステージの分類

  1. 無関心期
  2. 関心期
  3. 準備期
  4. 実行期
  5. 維持期

精神症状を併発している場合には、治療がより難しくなりますから、医師や家族のサポートは必須と言えるでしょう。

もちろん摂食障害自体の治療を行っていない場合は、同時に摂食障害治療も行う必要があります。



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